人間は元々四足歩行

人類は、はるか昔にはチンパンジーのように四足歩行でした。
四足歩行で野山を走り回ったり、木にぶら下がったりして生活をしていました。
それが進化して二足歩行になりました。
当然、現代の人間は四足歩行していたころと比べて身体の使い方が違ってきています。
現代のように便利な移動手段や機関が普及すれば、自分の足を使って移動する必要がなくなってきて足が退化してきます。
腕も、木にぶら下がる必要もなく食べ物はお金さえ払えば手に入ります。
そのことで腕も退化していきます。
逆に頭を使わなければ快適な生活を送る事は難しいので、時代が進むにつれて頭の脳細胞はどんどん発達してきました。
必要な身体の部位を使っていくと、そこは発達したり頑丈になりますが、使われなくとどんどん退化していきます。 

四つ足歩行のライオン

肩甲骨と骨盤は似ている

肩甲骨と骨盤は似ています。
どちらも平べったい形をした骨（扁平骨）です。
肩甲骨には腕（上腕骨）が繋がっています。
そして、骨盤からは脚（大腿骨）が繋がっています。
動物の場合は、肩甲骨に繋がっているのは前脚。
骨盤に繋がっているのは後ろ脚です。
人間の場合も四足歩行の時は、前脚と後ろ脚を使っていました。
なので、構造として骨盤と肩甲骨は似ているのです。

肩甲骨と骨盤の連携

動物の場合は、前脚と後脚が連動して動いています。
例外もいますが、大抵の四足歩行の動物の場合は。
右前脚を出すと同時に左後ろ脚を出します。
逆に左前脚を出すときは右後ろ脚を出します。
チーターやライオンなど大抵の動物が素早いスピードで動けたり走れるのは、肩甲骨と骨盤の働きにあります。
肩甲骨と骨盤が柔軟に動くことと、肩甲骨と骨盤が連動して前脚と後ろ脚を動かすことが可能にしています。 

人間の場合は、まだ幼い四足歩行のハイハイの赤ちゃんのときは手と足がうまく連動して動いていますが、成長して二足歩行になると手足の連動は少なくなって、バラバラに使われるようになってしまいます。 
けれども連動は今もしています。
歩いたり走ったりするときは足と反対側の腕を動かしています。
身体は自然とそのように動いています。

骨盤と肩甲骨の退化

現代は身体をますます動かさないようになってきています。
その中でも特に肩甲骨や骨盤は、日常生活において動かして使う必要がなくなってきています。
なので、本来の動きは出来なくなり機能も果たせなくなってきました。
力が出なかったり上手くいかないだけでなく、体を痛めてしまったりするようになりました。

症状

骨盤は身体の中心で上半身と下半身をつないでいます。
骨盤を動かさなくなって更に歪んでいくと上半身と下半身のバランスが崩れてしまって姿勢が悪くなります。
そのために腰や肩などの筋肉や関節の動きが悪くなってきます。
その状態のままで仕事や日常生活を続けていると筋肉や関節に負担が蓄積されて、慢性の腰痛や肩こりに悩まされることになります。
また、骨盤が歪んで身体のバランスが崩れると、骨格や筋肉・内臓などの位置が変わってしまいます。
そのことで、呼吸が浅くなって酸素不足になり、血流やリンパの流れが悪くなって代謝が低下するため老廃物や脂肪がたまりやすくなります。
そのため太りやすい体質、疲れやすい体質、冷え症やむくみ、ぽっこりお腹になってしまったりします。

また、肩甲骨は背中の上部、胸の真後ろに位置し、本来自由に動きます。
しかしデスクワークやパソコン、スマホの操作などを長時間行っていると猫背になり、肩甲骨が横に広がってしまいます。
また重い物をいつも同じ側で持ったり、どちらか足に重心をかけて立つ人は、身体が歪んでいて、肩甲骨の位置が左右でズレてしまっている場合があります。
また、猫背の姿勢になると肩甲骨が外側に広がって胸が閉じてしまいます。
この姿勢が続くと呼吸も浅くなったり内臓が圧迫されるため、疲れやすくなったり、各内臓の不調や便秘になりやすくなります。
このように肩甲骨周辺の筋肉が硬まると、肩周りの動きが悪くなって肩こりや頭痛、ひどくなると耳鳴りやめまい、さらには自律神経失調症を引き起こす可能性もあります。
これが、“肩甲骨が背中に張り付いている”状態です。 

肩こりや腰痛の施術

いままでに述べたように、肩甲骨と骨盤は連携しています。
陸上競技などのアスリートは、早く走るためにはいかに腰と腕の動きを連携するかがポイントになります。
足を前に出すためには骨盤の動きが。
腕をうまく動かすためには肩甲骨をいかに動かすかが必要になります。
繋がっているのです。

肩こりや腰痛で悩んでいる方がたくさんいます。
その多くは肩甲骨が張り付いて動かなかったり、骨盤が歪んだ状態で動かなかったり。
肩こりを改善するためには、骨盤の動きにも注目する必要があります。
逆に腰痛にも肩甲骨が関係していることがあります。
人間の身体は各部位の連携連動で成り立っています。

 

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