ぎっくり腰とは

なんの前触れもなく突然発症して腰に激しい痛みを起こす「ぎっくり腰」。
経験のある方も多いのでは。

医学的には「急性腰痛症」の俗称です。
急性腰痛症とは、突然腰の辺りにに疼痛が走る疾患で、関節捻挫・筋肉の損傷・筋膜性炎症などの症状を言います。
欧米ではその突然の痛みから「魔女の一撃」とも呼ばれているようです。

ぎっくり腰の原因は

ぎっくり腰は、なのもせずに放っておいても1か月未満で自然に治ることがほとんどですが、場合によっては、1~3か月かかる場合もあります。
ぎっくり腰の原因として考えられるのは、背筋や起立筋などの筋肉や骨盤や腰部の周りの軟骨、椎間板のトラブルなどが考えられます。

けれども、整形外科などでレントゲンなどの画像検査をしてもらってもトラブルなどを起こしている場所を特定することが出来ません。
その為にほとんどの場合、原因が分からないというのが現実のようです

ぎっくり腰の作業員

起こしやすい姿勢は

ぎっくり腰を起こしやすいのは、「前かがみの姿勢」や「前かがみで物を持ったとき」が多いようです。
例えば、顔を洗うのに首を下に傾けた時や、重い物を持ち上げようと前かがみの姿勢になる時などが、ぎっくり腰を起こしやすくなります。

その他にも、ベッドから起きようと急に腰を捻った時や、くしゃみをして「急に姿勢を変えたとき」にも、ぎっくり腰が起こりやすくなります。

安静にしてるのは良くない?

 腰が痛いときには「大事をとって安静にする」ほうが良いと皆さんは思っていませんか?
けれども、今の腰痛治療の常識は、大きく変わっています。

ぎっくり腰になってしまったとき、早く治すために「やってはいけない」ことは
「安静にする」ことです。
そんなことはないやろうと思う方も多いかもしれませんが。

フィンランド労働衛生研究所が行った研究では、ぎっくり腰になった人に「ベッド上で安静」にするよう指示した場合と「できるだけ通常の生活をする」ように指示した場合を比べると、安静にした場合は仕事に復帰するまでの期間が倍近くかかってしまうことがわかりました。

現在の日本の腰痛治療の指針となるガイドラインにも、
「安静は必ずしも有効な治療法とはいえない」と明記されています。
(腰痛診療ガイドライン 2012 監修 日本整形外科学会/日本腰痛学会)

なぜ、安静は良くないのか

日常生活で歩いたり立ったりするだけでも、身体は重力に対抗して姿勢を保つために筋肉を働かせています。

今は宇宙ステーション内で運動していますが、かつては無重力で生活した宇宙飛行士は地球に戻ると自力で歩けなくなることがありました。
それは重力の負荷がない環境で生活したために筋力が衰えたからです。

それと同様にベッドでじっと横になって長い時間安静にしていると、腰を支える筋肉が衰えて痛みが起きやすくなります。
また血液の流れが悪くなってしまって、老廃物も回収されなくなってしまいます。

ぎっくり腰は非常に激しい痛みが伴います。
身体を動かしたことによってぎっくり腰になったために、腰を安静にしておこうという意識が生まれます。
そのことにより筋力が衰えて、逆に回復が遅くなります。
こうした悪循環を断ち切ることも大切です。

できるだけ普段の生活をする

ぎっくり腰になったときには安静にするのではなく、早めに痛み止めやシップなどで痛みを抑えたうえで、できる範囲で普段と変わらない生活をするよう心がけることがお勧めです。

けれども「無理」絶対ダメです。
ぎっくり腰のすぐ後に激しい運動をしたり、重いものを持ち上げたりすることは症状を悪化させることになります。

また、それぞれの人に適切な治療はその人の状況によって異なります。安静が必要なケースが全くないわけではありません。

ぎっくり腰になると、その痛みで身体全体の筋肉が収縮して固くなることがあります。
そのことにより、痛みが持続しているケースも多いです。
自分自身で硬くなった筋肉を緩めることは難しいです。
整体に来ていただくと、痛みが緩和して歩きやすくなる方が多いです。

 

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