膝の関節は

膝（ひざ）は、太ももの骨（大腿骨）とすねの骨（脛骨）、お皿（膝蓋骨）などが組み合わされて構成される関節の事です。

膝には、地面に着地するたびに大きな衝撃が掛かります。
その荷重は、平地を歩いときでも体重の約3倍、階段の昇り降りでは約７倍、さらに走っているときは約10倍とも言われています。
膝の動きはとても複雑で、力を吸収するクッションのような役割や筋肉の力を伝える滑車のような役割を持っています。

このように毎日酷使されている膝の関節が掛かりやすい病気は色々あります。
その中でも、変形性膝関節症と慢性関節リウマチ、そして半月板損傷になる人が多いです。
これらを、膝の３大病と言われています。

膝が痛い女性

変形性膝関節症

症状

太ももの骨（大腿骨）とすねの骨（脛骨）の関節の骨の表面を覆っている関節軟骨がすり減ってしまって、膝の関節が変形することで痛みや炎症を起こす病気です。
軟骨が正常であれば6～8㎜くらいのすき間がありますが、すり減ると3～4㎜くらいになってしまいます。
軟骨がすり減ると内側の骨が現れてきて、大腿骨と脛骨が直接触れるようになります。
そのことが刺激になって関節面の骨が硬くなる骨硬化が起こったり、骨の端に骨棘という棘のような突起や骨堤という堤防状の出っ張りが現れてきます。
そのことで痛みや炎症が起きます。

原因

原因ははっきりしませんが、最も多いのが加齢による筋肉の衰えです。
老化などで膝関節を支えている筋肉の力が低下すると膝関節が不安定になって、関節の内側に負担が集中してその部分の軟骨が摩耗していきます。
また、長年使用してきた膝の関節は、歳をとると多かれ少なかれ不具合が生じてきます。
若い頃に外傷などで膝を痛めたり運動をやり過ぎたりした結果、軟骨に通常より多くの負担をかけた場合には、より症状が出やすくなります。
そして、肥満も大きな原因になります。
普段から、膝には体重の4～6倍の負荷がかかっていますので、肥満は膝にダメージを与える大きな原因の一つです。
軟骨を長持ちさせるためには、適切な体重を維持することが重要です。

慢性関節リウマチ

症状

間違った自己免疫によって関節に炎症が起こって、機能障害になって、その状態が慢性的に続く病気です。
人間の身体には。体外から侵入してきた細菌やウィルスを攻撃して排除する免疫システムがあります。
このシステムに異常が起こると、自分の身体を敵と判断してしまって自分自身を攻撃するようになります。
その結果、いろいろな炎症や痛み、障害が起きてしまいます。
これを自己免疫と言って、それが原因で起こる病気を自己免疫疾患と言います。

膝の慢性関節リウマチでは、滑膜に炎症が起こって関節が腫れてきます。
さらに進行すると、炎症が広がって関節が破壊されて変形して敦子とも歩くこともできなくなります。

原因

免疫がなぜ異常を起こすのか原因については現在のところ完全にはわかっていないようです。
けれども、細菌やウィルスの感染、過労やストレス、喫煙、歯周病、出産やけがなどをきっかけに発症することがあります。
また、遺伝的要因も疑われていて、体質的にかかりやすい人が何らかの原因によって発症すると考えられています。
日本では50万人くらいの関節リウマチの患者がいて、女性が多いのが特徴です。

半月板損傷

症状

半月板とは、膝関節の間にある三日月形をした軟骨組織のことです。
膝の内側と外側に分かれて2枚あり、膝を安定させたり、歩いたり走ったりしたときに膝にかかる衝撃が一か所に集中しないようにクッションとなってやわらげる役割を果たしています。
主に見られる症状としては、痛みや腫れ、膝関節が動きにくくなったりします。
また、切断された半月板が膝関節の間にはさまってしまって、急に膝が動かなくなることもあります。
そうなると、激しい痛みとともに膝の曲げ伸ばしができなくなり、歩行が困難になってしまいます。
痛みが慢性化して膝に水がたまって腫れる関節水腫が起きたり、中高年であれば変形性膝関節症を併発したりすることもあります。

原因

バレーやサッカーなどのスポーツやケガにより、ひざに急激な衝撃がかかることが最大の原因です。
膝をひねるときに大きな力や衝撃がかかると、半月板損傷が損傷しやすくなります。
ジャンプしたときの着地の仕方に問題があったり、急な切り返しの動きをしたりしたときに起きることがよくあります。
また。半月板は加齢とともに変性して障害を生じやすい状態になっていきます。
このため40代以降では、激しい動きや力が加わったわけではなく、ちょっとした動作だけでも半月板損傷が起こる事があります。

 

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